「古越龍山」は、➀原料と仕込み ➁発酵 ➂貯蔵 ➃出荷・絵付けという工程で製造されています。

  1. 1.原料と仕込み
  2. 2.発酵
  3. 3.貯蔵
  4. 4.出荷・絵付け

品質を守り抜くための巨大タンク

地上5階建ての巨大タンクでの一次発酵

古越龍山の第3工場では、下をのぞくと金網の足もとに思わず腰が引けてしまう、地上5階建てもの巨大タンクで発酵する紹興酒を管理しています。年間生産量約15.5万キロリットル。第2位メーカーの約3倍弱もの生産量を誇る国際ブランドならではの責任として、一定の品質を守るための施設です。タンクの中を覗き込むと、生まれたての酒が呼吸しているのが聞こえてきます。この近代的な施設だけではなく、別の場所では昔ながらの方法での作業が行われているところもあります。

紹興酒の一次発酵は大カメで通常5日ほどかかり、50~60時間でデンプンは糖化されて溶け出し、カメの底にアルコール度数の低い甘酸っぱい液が溜まります。発酵の度合いを見ながら奨水と鑑湖の水を追加し、まる1日強ののち櫂(かい)を入れて撹拌させます。これは開耙(かいぱ)と呼ばれ、非常に重要な作業。発酵によって熱が出た状態を冷却し、一定の温度に保つ役割があります。

ちなみに大容量で一次発酵させるのは、発酵を始める際に小さなカメでは十分に温度が上がらず酵母が活性化しないためです。大容量でしっかり温度を上げながら、開耙を入れることで空気を送り込みながら適度に冷却しつつ酒を育てているのです。

正しい造りと量産を高いレベルで維持するための製法

伝統的な手数と安全のための近代化による二次発酵

ごくわずかな愛好者のためだけに醸すのなら、昔ながらの手法だけに通底していれば事足りるでしょう。しかし古越龍山は国際酒。正しい造りと量産…この両者を高いレベルで維持しなければ、国賓はおろか、舌の肥えた世界のマーケットに供される酒には到底なれません。約5日間の一次発酵を終えた古越龍山は二次発酵へ。古来よりこの段階では24リットルの小ぶりのカメに移し替えられ、蓮の葉と茶碗のみで蓋をされて屋外で約90日の時を過ごします。

「もろみ」の発酵で生じた炭酸ガスを酸素と入れ替えるために、あえて雨と異物の混入を防ぐ程度の軽装備で晩秋から冬への時を過ごさせるのです。古越龍山は、この工程を伝統的な手法に加え、独自の近代的な機械生産方式においても確立しました。人の手と機械の手。どちらも世界に名だたる紹興酒づくりの上での「掟」を守っているのは言うまでもありません。

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