「古越龍山」は、➀原料と仕込み ➁発酵 ➂貯蔵 ➃出荷・絵付けという工程で製造されています。

  1. 1.原料と仕込み
  2. 2.発酵
  3. 3.貯蔵
  4. 4.出荷・絵付け

広大な倉庫で大切に育てられる古越龍山

東京ドーム約4.3個ぶんの敷地に眠っている、おびただしい量の銘酒

「ここに出荷を待つ古越龍山が眠っています」。そう言われても、視線のはるか先にまで同じような倉庫が延々と続いている。聞けば東京ドーム約4.3個ぶん(205,000m2)もの広さがあるといいます。それがどのような広さなのか、残念ながら実際に見ることなしに想像するのはほとんど不可能でしょう。

そのうえ、全18棟あるという倉庫の中をのぞいてみると、おびただしい量のカメが隙間ないほどに積み上げられている。総数約560万個。ただし、これはこの中央倉庫に置かれている数のみ。古越龍山全体では約1000万個にものぼり、一列に並べると広州と北京を往復するほどの量だと言います。

1952年、時の周恩来首相は、紹興酒の国家的な価値に目をつけ、保護と振興を促しました。その証しとも言えるのがこの倉庫。中に入るとひんやりとした空気。ここでは単に置いておかれるだけでなく、毎年1回、上のカメを下に、下のカメを上に…と貯蔵環境の均一化を図っていると言います。口で言うのは簡単ですが、圧倒的な量をこなすにはそれこそ毎日のように手をかけていなければできない作業。古越龍山は、かくも大切に育てられている銘酒なのです。

ゆっくりと呼吸するカメの「浸み出し」

半世紀もテーブルに供される時を待っている紹興酒

倉庫の中に入ると時が止まったような感覚になる。紹興酒は3年以上寝かせたものを「陳年」と称しますが、かかっているプレートを見ると、「五十年以上陳年黄酒」の文字。

そう。ここには、じつに半世紀も前の酒が置かれているのです。どこか厳かな雰囲気に、時代を感じさせる古いデザインの50リットルカメが積み重ねられています。また倉庫内をよく見てみると、「佳醸」と表示されているプレートが。この特別な一角には、他の年より優良と判断された紹興酒が貯蔵されているとのこと。しかも一見無機質なカメも、じつはゆっくり呼吸しているのだそうで、それが「浸み出し」に現れます。

しっかり蓋で閉ざされた陶器製のカメもミクロの目で見ると鉱物であり、中の紹興酒が深呼吸をするようにゆっくりと生きているという証左。若干の浸み出しがあるカメの方がおいしいという説もあるほどで、ますます深い紹興酒の歴史が感じられます。

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